「やってみなはれ みとくんなはれ」にて。
すこし前に読んだ「やってみなはれ みとくんなはれ」で、いいなあと思ったところのメモ。まずは以下・・・。
細心に細心をかさね、起り得るいっさいの事態を想像しておけ。しかし、さいごは踏みきれ。賭けろ。賭けるなら大きく賭けろ。賭けたらひるむな。徹底的に食いさがってはなすな。鳥井信治郎の慣用句"やってみなはれ"にはそういうひびきがあった。(「やってみなはれ みとくんなはれ」より引用)
こういうことは、ときどき思い返さないといけないね。
なんの気なく過ごしていると、
ついつい守りに入ってしまいがち・・・。
寿屋では赤玉ポートワインの函(はこ)の中にハガキをいれる。小売店がそれを返送してくる。そのハガキを一年に一回計算して、一函につき七十銭を直接小売店に送った。つまり、リベートである。このハガキは、ダイレクト・メールの貴重な資料にもなった。これが開函通知である。
函のなかに、店員様へと書いた袋がはいっている。袋には、万年筆、シャープペンシル、ナイフ、手帳、キイ・ホルダーなどがはいっている。これは淀屋橋のロンドン屋、神戸のレンクロフォードやトムソン商会などで信治郎がみつけてみたものを見本として、特別注文でつくらせたものである。従って、類似品のない、モダンなものばかりである。
店員が争って赤玉ポートワインの函をあけたがるようになったのも無理はない。(「やってみなはれ みとくんなはれ」より引用)
国分商店社長国分勘兵衛は、つぎのように語っている。
「ともかく、鳥井さんは苦労されましたなあ。サントリーウイスキーを売り出してもなかなか売行きが伸びないものだから、大将は一所懸命でしたね。宴会のときなど、必ず、お座敷へサントリーウイスキーを持ってきて、みんなに注いでまわり宣伝していましたよ。お客は率直だから、こんなもの売れるもんかなどと文句をいう。鳥井さんは、じっと我慢して唇を噛んで聞いている。悪く言われるとますますファイトが湧くのでしょう。つぎにはまたブレンドの研究を積んで持ってくるというふうでした。こんなことを何十回となく繰りかえして、とうとう誰にも文句の言えないような立派なウイスキーをつくりあげたんですよ。(「やってみなはれ みとくんなはれ」より引用)
もちろん現在とは時代がちがうが、
いずれも寿屋(現・サントリー)の創業者、鳥井信治郎の
自社の商品に対する愛情や自信、
そして商売人としての根性とセンスが感じられるエピソードだろう。
「ものをつくり、売る」ことを生業にしているのは、ぼくらも同じこと。
学ぶところの多い本でした。
| やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫) | |
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