三根山。 - fujii-t:blog(フジイブログ)

三根山。

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駅の近くの書店でたまたま手に取った
池波正太郎の「武士の紋章」(おとこのもんしょう)に、
三根山という力士についての短編が収められていた。

相次ぐ病魔に苦しみながら節制を重ね真摯に土俵を務める態度には行者の風格さえ漂ったといい、人気も高かった。(Wikipediaの記事より)

短編「三根山」は、すでに大関から陥落し
平幕まで番付を落とした三根山の、その
相撲人生の晩節といえる時期を描いたもの。

苦しいことや辛いことのない人間は、この世の中に一人もいないといってもよい。この国技館の見物の一人一人が、必ず苦悩を持っている筈だ。一場所何万円かの金をかけて桝を買い切り見物している人々でもそうなのである。
人間というものは、生まれてきたときから"死"に向って進みはじめる。この行程が人生というものである以上、世の中へ出て、自分の力で飯を食べている人間なら、苦しみのない者はない筈である。(「三根山」より)

下は三根山がよく弟子に語っていたという言葉。

「他の人と同じことをやってたんでは絶対に上へは昇れないよ。稽古の量と、自分の工夫と、日常生活のあらゆる面を、良い相撲をとるということに結びつけるんだ。辛いことだけど、力士になった以上、偉くならなくちゃ嘘だものな。強くなり出世しなくては、この社会へ入った理由が成り立たないわけだからな。これは誰の為でもない、自分の為なんだよ」(「三根山」より)

この「三根山」のほか本書には黒田如水滝川三九郎(一積)真田信之
真田幸村堀部安兵衛永倉新八らをそれぞれ描いた短編を収録。
なかでも植物博士牧野富太郎について書かれた
「牧野富太郎」が良かった。

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武士(おとこ)の紋章 (新潮文庫)池波 正太郎

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このページは、fujii-tが2008年12月 7日 21:30に書いたブログ記事です。

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