池波正太郎の「男観」がつまった「男の系譜」。
池波正太郎「男の系譜」を読んだ。
有名どころから知る人ぞ知る人物まで
様々な歴史上の人物について
池波が自身の男観を語った1冊。
以下、気になったところをメモ。
神経を使うということが全然必要なくなって「気働き」というものがなくなってしまった。昔なら、かまどにたきぎを入れて火加減をみながら洗濯するというように、いっぺんに二つも三つものことを全部やらなければならない。頭の中にいくつものことがあって、それを同時進行でこなしてゆくのが気働きですよね。いまは、一つのことをやればいいんだから、ほかに気を使うということがない。どこへ行ったって。だから鈍化しちゃうんですよね。対人関係でも気を使わなくなってくる。人に対する思いやりがないということをよくいいますが、これは同然の結果です。(「渡辺勘兵衛」より)
卑俗な例かもしれないけれど、一週間に一度閣僚は映画を見たらいいと思う。然るべき人に選んでもらって。外国映画というものは、世界の一番新しいテーマというものを、すべて才能のある芸術家が何人も集まってつくるものだから、ものすごい。(中略)政治家ばかりじゃない、ちかごろは編集者が見ないからね、映画を。それで編集しているんだから、おかしいと思うな、実際。(「豊臣秀吉」より)
本当いえば、五、六歳から十二歳ごろまでの六、七年間ですね、大事なのは。その時期に人間の一生涯というものはほとんど左右されてしまうね。そのころの教育が、だから、なにより重要なわけですよ。
中学、高校も大事だけれど、小学校の教育というものは一番大事だ。そのとき、全部決定されてしまう。それに五つ、六つの小さな子どもにはそんなに意識はないという人もいるけれども、当人にそんな意識がないからこそ、かえって一番影響を受けちゃうんだ。知らず知らずのうちに。(「徳川家康」より)
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